広く浅く狭く深く

この世はでっかい宝島!

光源氏のネガキャンがやめられない女

もう、読み終わってからしばらく経ちますが。

源氏物語を読破したよ〜〜〜!!!

Amazon CAPTCHA
林望先生の源氏物語、すっごく読みやすかった。注釈がほとんどない。

いつから読み始めたのか?私は本を読むのがとっても遅いので多分3、4ヶ月はかかったと思います。
現代人である私の視点から見ると源氏の下半身が奔放すぎて、女に対する考えもクズで途中で「あ〜もう無理!なんなのこいつ!」って中断することもしばしば。

同じ女として登場する女性たちには「頑張って!源氏なんかに靡いちゃダメ!」とエールを送りつつ…すぐ靡いちゃう女性ばかりかと思ってたけど、粘って粘って拒否した末、強引にしてやられるパターンが多いんですよこれが。序盤では大体の女の人が拒んでるんですよね。で、源氏が有無を言わさずモノにしちゃう。源氏、見た目良いしセンス良いし臣籍降下したけど帝の子でお金あるからその後は女の方も情が湧いちゃうので、辛くなるんですよね〜。
最終的に源氏の繋がってる女君の数を数えてみましょう!

やった:葵上、六条の御息所、藤壺の宮、夕顔、紫の上、朧月夜の君、軒端の荻、花散里、明石の上、女三宮、末摘花
やってない:空蝉、朝顔斎宮、秋好中宮、玉鬘

やったと明文されてる女は意外と少ないですね。
でもねこの時代当然といっちゃ当然かもしれませんけど召使の女性にもお手付きしてるんですよね。
調べたんですけど、そういう女性は「召人(めしうど)」という呼称があったみたいです。
葵上付きの女房にも手を出してるんですよ。葵上が亡くなって結構経ってからその女房に逢いに行く描写もあります。逢いに行くイコールsekkusuです。風流だからこれからどんどん使っていきましょう。「セックス」じゃなくて「逢ふ」。
源氏の孫であり、明石の中宮の子供である匂宮も自分ちのきれいな女房は全部手を付けてたみたいです。マジキモイアル、しばらく私に話しかけないで。
召人に対して女主人は嫉妬という感情は無かったとされています。なぜなら召人は性欲処理係ってだけで対等な立場ではないから…だそうです。ひどいな平安人。


空蝉は私の解釈というか読解力ではやられてないんですよね。
空蝉は人妻で、魅力的な源氏のことは気になるけど、年の離れた身分の低い男と結婚している自分に、これ以上変なレッテルを貼りたくない保守的な女性。
だから源氏のことは相手にしないんですけど、一度目を付けた女は落とさないと気が済まない源氏はその空蝉の幼い弟を自分の手下にするんです。で、弟の手引きで源氏が家に侵入して、源氏が夜這いをかけようとしてきたのに気付いて逃げるというアグレッシブな女性。
源氏はまんまと部屋に入り、そこで空蝉と一緒に寝ていた軒端の荻を空蝉と勘違いしてやっちゃいます。やる前に空蝉じゃないと気づいてるんですよ。なのに「あっ人違いでした帰ります」ってならない、その日の性欲その日のうちにってことでやっちゃう源氏~!!ゲスの極み源氏。
で、後日「空蝉ってほんと空気読めないよね~あそこまで拒否する必要ある?マジないわ、逆に。俺がダメなんじゃなくて、あっちが男女ってのを分かってない。」って逆切れするんですよ。キモイですね。

あと私の中でベストオブキモイ源氏は、

夕顔と頭中将の娘・玉鬘にセクハラまがいの事を言って反応を楽しむ
玉鬘に『あなたを背負って三途の川を渡るのは私だと思っていた』と言って泣く(この時代、女は処女を奪った男に背負われて三途の川を渡ると言われていた)
紫の上の父であり藤壺の兄の兵部卿の宮のことを『きれいな顔しよって女だったらモノにしてるとこだぜ』ってロックオンする

これらも相当なキモさではありますが、
「降嫁して間もない女三宮を紫の上に相手させておいて、朧月夜に逢いに行く」でしょうか。
女三宮は、源氏の異母兄である朱雀院の娘。叔父さんと姪ですね。無理です。
朱雀院は自分が出家する前に、後ろ盾の乏しい女三宮をどうにかしようと考えた末、源氏に差し出すんですね。源氏の息子夕霧で手を打つこともちょっとは考えたっぽいけど、源氏は六条院で女たちたくさん囲ってるし、面倒みてくれそうだし、いいやろと。
多分源氏が強く拒否すれば朱雀院は手を引いたんですけど、
紫の上と過ごす穏やかな老後<朱雀院が手塩にかけて可愛がって育ててきた娘への興味
が勝ってしまったと。意味が分かりません。

で、女三宮降嫁してきて3日はそこに通わないといけない。この時代重婚可ですが、正妻は一人と決められています。正妻を側室にすることはできません。紫の上とは正式に結婚していなかったんですね~・・・つれえ( ^ω^)・・・
女三宮降嫁が14歳、源氏はもうアラフィフとかそこらですよ、話が合うわけないんですよね。3日通ったらすぐ音沙汰なくなるわけです。女三宮、物足りねーっつって。女三宮は心細くて寂しい逢いたくて震えるって手紙書くんです。可哀想…可哀想だよぉ
細かいことは忘れましたが、源氏は朧月夜に逢いに行こうと考えます。朱雀院は出家したので尚侍である朧月夜は実家に帰りました。
これは好機!女三宮を紫の上に預けて、そっちに逢いに行こう!!!!と考えます。すごいよぉ性に対するバイタリティ~~~
紫の上には「女三宮はまだまだ子供だから、いろいろ教えてあげてね、仲良くしてね」
女三宮には「よく気が利くから、楽器とか習えばいいよ」
とか言って朧月夜の家に出かけるわけですよ~ARIENAI


結構口汚く源氏をディスりましたが、源氏が朧月夜と久しぶりに邂逅する場面や、夕霧と落葉の宮との駆け引き、野分で翻った御簾から偶然に夕霧が紫の上の顔を見る場面、猫を追う女三宮を柏木が目撃して懸想してしまうところなどなど、人の心の機微が緻密でたおやかに風雅な筆致で描かれているのは、面白くて頁を繰る手が止まらず、夢中になって読みました。
すっごい勢いで源氏ディスったあとに言っても説得力ない~~~

1000年読み続けられてきたわけですよね。光源氏は嫌いだけど、源氏物語は大好きでーーーす!!!おわり。