広く浅く狭く深く

この世はでっかい宝島!

3代目系男子になり損なったメンヘラ男のくれた思い出

その男とは去年の9月ごろ、異業種交流会という名のただの大規模な合コンで知り合いました。
歌舞伎俳優の中村隼人さんにちょっと似てました。


わたし、隼人さんめちゃくちゃ好き。隼人さんは。

正直隼人さんをジャイアンぽくした感じですね。本物の隼人さんは都会的でシュッとしててスマートだから、ほんと引き合いに出すのも畏れ多いんですが、すみません。(めっちゃ隼人さん好き
隼人さんを6頭身にして一発殴ったような顔を想像してもらえるとスムーズです。

私は友達と来てたので、パーティーの後飲み直そうと会場を出て二人で居酒屋を探してたらジャイアン隼人がやってきて「3人で飲もうよ!」と誘って来ました。
まぁいいか、奢ってくれるかもしれないしと私達はノコノコついて行きました。
その時は完全にごっつぁんです精神で。
なんか、気遣いもしてくれるし話も次から次へと出てくるし、楽しく飲んでました。そのときはお会計も持ってくれたんで。

流れるようにLINEを交換して帰宅したんですが、結構積極的な野郎で。

「明日も君に会いたい」

みたいなLINEが入って、「え〜?んー、まぁ行ってやってもいいかな!」ってノリで、仕事帰りに会う約束をしました。
仕事帰りなのでどっかモール内のご飯屋さんに入ってご飯食べたんですが、そのときずーっと

  • 俺がいかに今まで苦労してきたか(俺伝)
  • 明日世界が終わっても君を守る
  • 何かあったら俺に言って?すぐに飛んで行くから
  • 君はすっごく可愛い、今までに会った誰とも違う


みたいな情熱的な、と言えば聞こえは良いけど自分に酔ってて気持ち悪いことを言われ続けて何から突っ込めばいいのか分からない。

話聞いてるのも疲れたんですが、奴のしたことで一番印象深かったことがあります。


男「ねえ、この服すっごくオシャレじゃない?」


と言ってスマホを私に見せます。

どれどれ、と見てみます。

え…

ええ…


嘘やん……
これ…誰がどう着たらカッコよくなるの…?
これ…ほんまもんのオシャレさんが着ないとただのパジャマじゃん…?
菅田将暉とかがはずしアイテム的に使ってたり奇跡の頭身の東出昌大が雑誌で着てたらまだ分かるで…?
でも…あんた…


男「これ、バレンシアガ!超オシャレー!今度大阪行った時買おうかな!?と思ってて!」


ほんまかいな…

値段…バイマで見たので上下すると思いますが8〜10万の間でした。

お前短足中村隼人をグーパン3発位入れたような顔面よ?似合うワケないじゃんwwwwwwwwwwwwwwww

って言いたいのを飲み込んで

「へー!オシャレすぎてよくわかんない!メンズのオシャレ難しいね!」

みたいな当たり障りのない言葉しか出てきませんでした。
てもこれが正解だったと思うの。


この日は解散して、もう一度ご飯に誘われて行きましたが(なぜ行ったのか)、最初一緒に飲みに行った友達と話してると、奴が2人同時に

「君みたいな女見たことないよ…この思いフォーエバー」

的な口説きを送って来てたのを確認し、二人同時にブロックして終了しました。

その友達に言われて気づいたのですが、タイムラインにEXILEの失恋・悲恋系の曲の歌詞をフルコーラス分何曲も書いて載せてあって

「うわ…結構なメンヘラじゃん…」

って二人でゾーッとしたのを覚えています。
百歩譲って歌詞ワンフレーズならいいかもよ。だけどフルコーラスって。「uh〜」みたいなのも入ってるw草生えますw

そしてよくよく調べてみると、そのバレンシアガのオシャレすぎるスウェットも、3代目JSoul Brothersの臣くん着用!と出てたので、「ああ、3代目になりたい系男子だったのか…でも全然わかんなかった、程遠いわ」と悪口言って終了しました。


臣くんなら似合ってたかもね。知らんけど。



それが9月ごろの話です。
そのひと月後、京都に旅行に行き舞妓さん体験をしたあと
しのぶ思いを振袖に、舞妓さん体験した話 - 広く浅く狭く深く
友達に「こんなスウェット欲しがるへんな男がいたんだよ〜w」と面白おかしく話しながら後片付けしてました。
その後花見小路をぶらぶら歩いていたら友達が
「ちょ!!!前、前見て!」
と急き立ててくるので、なんぞと思ってよく見てみると前から



あ、歩いてくる…!この(私の中で)伝説のスウェットを着たメンズが…!


友達と顔を見合わせて
「こんなことあるんだね…」
「さっきのボクちゃんは、シュッとしててカッコよかったね」
「まぁ似合ってる部類かもね」
「若かったよね」
「金持ちのボンボンなのかもね」
とフィードバックしました。


彼には後にも先にもないようなオチをつけてくれたことにだけ感謝したいと思います。

部屋にカラーを飾る女

近所に馴染みのお花屋さんがあります。

私は週に一度か、タイミングを逸したら2週間に一度になりますが、そこでお花を2、3本買ってテレビ台の上に飾るのが習慣となっています。

ご家族で経営されていて、お兄さんとは歳も近く、話も楽しいのでよく遊びに行きます。

昨日はカラーというお花を買いました。

こういう花です。

カラーは私の叔母が大好きな花らしく、タイに数年滞在していた時は正規ルートでは全く手に入らないので、叔父さんは叔母の誕生日にオランダから空輸で取り寄せて贈ったそうです。
そんな情熱的で律儀な叔父ですが、全然、普通に日本人です。
横浜生まれ横浜育ちのシティーボーイです。
横浜育ちってそんなスキルも持ち合わせてるんですね。九州男児はこうは行くまい。
そんなこともあって、「あっ、カラーだ!」と気付き、あまりそのお店では見ないお花だったので、買って行こうと思ったわけです。

まあ私はお花を贈ってくれる相手もいないので、自分で買うかどうかしないと部屋にお花がある状態にはないパサパサの女なんですが、お花やさんのお兄さんにはなんだか妙にツボにはまったらしく、
「カラーってめちゃくちゃいい女が部屋に飾ってるイメージ。」
「部屋にカラーを飾る女かぁ」
と、自分で発したその言葉とその響きがとても気に入ったのか、なぞるように何回か繰り返していました。

私、仕事終わりのぼさぼさの髪で、マスクに、コートだけは気合が入って首回りにボリューミーなフォックスファーが巻きついてるこんなちぐはぐな出で立ちの女で、部屋も片付いてるのか散らかってるのかよく分からない部屋なのに、お兄さんは「部屋にカラーを飾る女…」とにやけている。
そう思うとお兄さんの幻想をかき消してしまいそうで買うのになんだか二の足を踏みました。

そんなめちゃくちゃいい女って、きっと身長が165センチくらいあって、さらさらワンレンボブの前髪をかき上げてて、お肌スベスベで真冬でもストッキングにタイトスカート、ピンヒールで歩いてて家に帰ったらすぐお風呂入ってバスローブでシャンパンの入ったグラス傾けてる感じでしょ?
で、片手でスマホを繰りながら複数の男(ハイスペイケメン)と日替わりでデートの約束取り付けるのに忙しい感じでしょ?
私155センチしかないし、手もカサカサしてるし、家帰ったらまずコートの代わりに綿入れ半纏を羽織ってレバニラとか作ってごはんおかわりするような女だよ?パジャマの裾は全部ズボンの中に入れてるような女だよ?
そこに活けられているカラーの気持ち、考えたことある?
片やシャンパンの似合う女と片や発泡酒が似合う女の部屋に飾られるカラーの落差がすごい。

置かれた場所で咲きなさいって本があるけど、置かれた場所のギャップも大概ですよね。花も「まさかこことは…」と思ってるかもしれないけど、そんな気持ちは露程も見せずに、うちの10年選手の27型テレビの横で凛と咲いてます。
帰り際に花屋のお兄さん、エディブルフラワーという食べれるお花のサンプルで小さなバラを1つくれたわけですが、家でカルパッチョとか食べないし作らない私はレバニラ炒めの上に鮮やかな赤のエディブルフラワーの花びらを散らしてみました。

レバニラ美味しかったです。

芸能人の〇〇に似てるって話は真に受けちゃいけない

お正月に高麗屋三代同時襲名披露公演をテレビで観ていて、一緒にいた母に「新しい染五郎くんがすっごくかっこいいんだ。白塗りしてない写真を見てほしい。」と言うと手に持ってるiPhoneですぐ検索する母。


もう既に出来上がってますね、美しい。

母「お母さん、この子に似た人の結婚式に行ったよ」
私「え!?どんなひと!?(ワクワク」
母「こんな人。似てない?」(写真を見せる)

………んん?
え……?
…………いやいや…………
ちーがーうーだーろー!
違うだろー!

(真由子様のお言葉、めちゃくちゃ使い勝手いい。)

確かにパーツは似てる!だがしかし、配置が違う!
「これはね、合コンで『EXILEのTAKAHIROに似てる人が来る』って言われてワクワクしてたら、実際にはブラマヨ小杉が来るみたいな、
こんな感じなんだよ!

ほら!こういう、、

こういう感じなの!!めっちゃ空気悪くなるから。」

母「そっかぁ、気をつけるね!」
私「頼むよ」


正月早々そんなことがあったわけです。

思い返せば、昨年末何回かご飯食べに行った人が「僕、さかなクンに似てるって言われます」って切り出して、確かに似てたんで、その時は「そうだね」って同意しました。
すると彼、
さかなクンって、ジャニーズの中山優馬くんにも似てるじゃないですか?だから僕も、中山優馬に似てるって事ですよね」
って続けたんです。

え…?は…?
いやいや……
違うよそれは…

違うだろー!!!!

なぜそんな短絡的な結論に至ったんだ?


たしかにさかなクン中山優馬は似てるよ?
どっちかっていうと、あなたは中山優馬には掠ってもないよ?
どっちかっていうと、さかなクンはテレビに出てるだけあってシュッとしててお肌にも気を使ってるのかツルツルしてるよ?
どっちかっていうと、あなたはさかなクンを垢抜けてないボサボサの大学生っぽくした感じって感じですよ?おおん?

って言葉をお酒と一緒に飲み込んで、「え〜!?そうかなー?でも私さかなクン好き〜!」って言っときました。
その人とは「なんか違うな」ってことで手も繋がず終わりました。いい人だったんですけどね。


やっぱりね、男のいう「こいついいやつだから!」っていうのと、女のいう「今日可愛い子来るから!」っていう話は鵜呑みにしちゃいけない論と私の主張は関連性があると思います。
ちなみに私が合のコンで女性陣を集めて男性側幹事に伝える時は「女のいう可愛いは信憑性に欠けるらしいから、顔の整ってる子を集めたよ」っていう風にしています。
鹿児島弁で「おかしもぜ(おかしむぜ)」って便利な言葉があります。
「美人じゃないけど愛嬌のある顔」って意味です。
そういう子を極力排除した、「整ってる子」。
年齢を重ねるほどに、そういう子もだんだん結婚していきメンバーが減ってきました。スタメンを組み直さないといけません。


まあ、そういう話です。

しのぶ思いを振袖に、舞妓さん体験した話

あるとき「舞妓さんに変身してみたい」と友達から言われました。
私はその時既に5、6回は京都に遊びに行ってたけど、変身はした事はありませんでした。
どちらかというと変身するより本物の舞妓さんへの憧れが強かったからか。
いち芸舞妓ファンとしては、ネット広告で見る化粧の濃すぎるピエロみたいな舞妓は遠慮したいし、引き着も「え?」って言うような衣装を着るのは着物好き、芸舞妓好きとしてプライドが許さないので、ネットの奥深くまで調べた結果、評判の良かった「華陽」というお店で変身することになりました。
宿泊予定地の四条大宮から歩いて5分ほどだったかな。
華陽 〜京都で舞妓変身〜
感じのいいスタッフさんが迎えてくれました。
鬢づけ油を薄く伸ばしてお化粧してくれます。お相撲さんの鬢づけ油とは種類が違うらしい。ここの白粉は白過ぎないのがポイントだそうで。
その間に友達は髪結いを。鬢の部分と前髪は地毛を使うので、電熱器で熱せられた鏝で髪のクセをカチカチと取っていきます。電気のアイロンは使わないんですよね、すごいな。
友達は年少舞妓の割れしのぶという髷、私は年長舞妓さんのおふくという髷にしてもらいました。
その舞妓さんの経験年数によって簪の種類も違ってきます。年少さんは向かって右にぶらぶらの簪が挿してあるのでわかりやすい。
そのあとは着付けを。普通の着物とは違う点がたくさん。まず肌襦袢の襟にも既に衿芯が入ってる。真っ赤な長襦袢を着たら、その上に独立した固ーい半衿を装着。半襟も、お姉さん舞妓になるに連れて白い刺繍の範囲が広くなります。その上から引き着を着て、舞妓さんの象徴でもあるだらりの帯を締めます。
私が着た引き着はプラス料金でしたが、即決。
なんと白生地から図案を描いてもらい、別誂で作ってもらったそうです。紫地に金箔!このときは10月だったので、簪は大輪の菊。

こんな感じです。
すごくずっしりした生地。お店の方曰く、「染料が沢山入ってるから重いんですよ」と。なるほど。
準備が終わったら、1時間観光に行くことができました。祇園新橋まで、タクシーにスタッフさんが同乗してくれます。タクシー代は込み!

祇園新橋に来ました。

巽橋とか、辰巳神社とか、かにかくに碑などがある、いかにも京都っぽいスポット。
他にも芸舞妓変身してる方々が数組、結婚式の写真を撮ってる方が2組はいました。外国人観光客も写真撮りまくり。ニセモノで申し訳ない。


ここは置屋さんやお茶屋さんが軒を連ねる通り。夜はさぞかし賑やかなんだろうな。
友達もプラス料金引き着。丸にいろんな文様がかわいい!妹舞妓さんぽい雰囲気。


写真を撮るときにも舞妓さんは決まりがあるらしい。斜めに向けた体の外側にあたる足を前に来るように出す。上の写真だとこんな感じ↑
同行したスタッフさんが写真映えするとこに連れてってくれて、はいここで止まって!振り返って!はい一人ずつ行きます!みたいに仕切ってくれてバシバシ撮ってくれました。笑

いつのまにか到着したタクシーに乗り込み、お店へ帰ったらまた撮影!そのあとはお互い好きなようにポーズ取って撮り合ったりして、「そろそろ頭が重い」ってなったとこでお着替えしました。

いくらインスタでかわいい舞妓さんを愛でても、体験してみないと分からないことが沢山あるなぁとこの歳になってしみじみ感じました。
体験+1時間観光+衣装追加料金で確か16000円だったかな。
観光は3時間まで行けた気がします。
詳しくはHPをチェックしてみてください(^^)
9時ごろ入店して、終わったのは11時過ぎくらいだったと思うので、京都旅行の際は組み込んでみても楽しいと思います。

このあと私たちはさっきまでいた祇園に繰り出し、昼から般若湯(という名のアルコール達)を煽りに行きました。
それはまた別の記事で書きたいと思います。

鴨川をどりに行った時のことを書く。

2017年5月17日 先斗町歌舞練場

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第百八十会記念鴨川をどりを見に行きました。

その時は5月から6月初めまで京都に出張だったので、滞在先の四条富小路通あたりから歩いて15分ほどで着くことができました。

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吸い込まれそうな先斗町の路地。

四条通りの先斗町の入り口から入って、バーっと歩いて行くんですけど、これがまた歩くんですよね。外国人観光客もたくさんいるし、その間を掻き分け人波を縫って歩いて着きました!

流石京都、流石をどりの会、着物人口が多い!(^ν^)

私も雰囲気を楽しみたかったので着物で!

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このような出で立ちで。

幸いお直しおばさんとやらには会ったことはない。

 

この日のために、お茶券付きの席を取っておきました。芸妓さんが立礼式でお点前を披露してくれるので、それを見に。

どの花街でも、このをどりの季節は芸妓さんも地毛で日本髪を結って(奴島田というらしい)、黒紋付の正装で迎えてくれます。私が行った時は、芸妓は朋佳さん、控えの舞妓はもみ香さん。

せっかくなので写真に収めたいけど、写真は禁止です。特に注意書きもなかった気がして、知らずにカメラを向けた外国人の方が注意されてました。仕方ない…

お菓子はどこのお店のか忘れちゃったけど、お皿はお土産で持って帰ることができます。

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五花街コンプリートしたい(ᵔᴥᵔ)

 

お茶席で一服したらお土産コーナーに行く前に人だかりが!

なんとお当番の舞妓さんと写真を撮れるコーナーがあるのです。

もう人垣がすごい、ぜんぜんおさまる気配無い。

私は舞妓さんだけを撮りたい!とチャンスを伺ってたんですけど、中々…!皆さんせっかくだから舞妓さんと写りたいですよね、そうですよね。

そこにいた方々のカメラを預かってシャッターを片っ端から押しまくって、漸く自分のiPhoneで写真を撮れました。

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光はなさんと市結さんです。

流石撮られ慣れてる…!

満足…!

 

その後はパンフレットと手ぬぐいを買って、お席へ。(やっと。

 

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私は大体10列目くらいだったかな(うろ覚え

結構近くて、オペラグラスいらない距離だったのは覚えてます。

先斗町マークの千鳥が可愛いですね。

第1部は芸妓さんたちの舞台。

平安時代末期、源平の争いの陰にいた女の人たちにスポットを当ててました。日替わりでお役も変わるみたいで、木曽義仲の側室山吹役の芸妓さんすっごい綺麗!誰だろう!と思ってあとからパンフレット見たら、去年なにかと話題に上った市さよさんでした。めちゃくちゃ綺麗だった。

最後は女は恋してしまったからには恋から逃れることはできないんやでみたいに結んでいて、いやほんとそれな…!(語彙力)って感じで涙が…。

失恋した時って「もうまぢムリしぬ」みたいになりますもんね。時間が経つと相手のことなんて生きてようが死んでようがどうでもいいってなるけど。

 

第2部は大政奉還の様子をこれまた芸妓さんたちが熱演。かっこよかった。

 

最後に、先斗町の舞妓さんの踊りと、芸妓さんも混ざっての総おどり。

先斗町の踊りは尾上流。素敵な振り付け、華やかでした。

舞妓さんも上手だけど、さすがに芸妓さんの修練を重ねた踊りはどこを切り取っても美しい。

 踊りをやってたとき、他のお弟子さんで「どこどこの流派はつまらない」「うちの流派がいちばん」とか言う人もいたけど、そんなけち臭い事言ってると審美眼も曇るし感性も鈍るし自分の踊りも上達しないぞ、と。

芸術を比べる必要は無いんですよね。

ただ感じて、自分の経験や糧にするのみ。

 

あっという間の2時間(たぶんそれ位)でした。

お茶席付きでたしか4800円だったかな?

この金額でそれだけの体験ができるってすごい。

ぜひぜひ、各花街をどりの季節に足を運んで頂きたい。それぞれ期間は少しずつずれてます。

 

五花街の紹介・年間行事|おおきに財団 財団法人京都伝統伎芸振興財団|公式サイト

こちらを見てもらうと早い!

 

そのあとはお腹が空いたので先斗町を出て、四条通りを横断して木屋町通りのフランソア喫茶室へ。

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赤丸が先斗町歌舞練場です。結構歩きますね。

 京都河原町:フランソア喫茶室http://www.francois1934.com/smart/index.html

このあたりって雰囲気とってもいいのに、見るからに如何わしいお店も多い!笑

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外観。真ん中の灰色の建物です。

奥にはラブホも見えてるしね!笑

写真はないけど、私はここのたまごのサンドイッチが好きです。たまごフワフワ!お腹いっぱいになるし、小さい建物に見えて意外と奥行きがあり、いつも割と待たずに入れます。

ウエイトレスさん達の制服もレトロかわいいです。壁に飾られている絵も素敵だし、世界観が統一されていて雰囲気に浸れます。

バロック様式の内装で、豪華客船イメージらしい。有形文化財だそうです。

和も洋も古くていいものを大事に取ってるのが京都のいいとこですね。

どなたかの京都トリップの参考になれば。

今度はまた別パターンの京都の楽しみ方を書きたいと思います。

シネマ歌舞伎「京鹿子娘五人道成寺/二人椀久」観てきました。

1月13日に封切りされたシネマ歌舞伎「京鹿子娘五人道成寺/二人椀久」を観てきました。

 

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きれいですね。

 

まずはじめに京鹿子娘五人道成寺についての玉三郎さんのインタビューから始まります。

 

あらすじをざっくり書くと、旅のお坊さん安珍に恋した肉食系女子清姫が会いたくて会いたくて震えて安珍追っかけ回して、あんまりにもしつこいから安珍はお寺の鐘の中に隠れてやり過ごそうとしたとこを清姫は大蛇に変身して鐘ごと焼き殺すってなかなかおっかない伝説から派生した舞踊劇です。

その後何年か女人禁制になってたお寺ですが、清姫の化身である白拍子花子が、そのお寺に新しく奉納された鐘を拝みたいとやってきて、手踊りや手ぬぐい、振り鼓など使った踊りや能の要素を織り交ぜた乱拍子を披露してくれます。で、いつのまにか大蛇の正体を現した花子が鐘を乗っ取るっていう。

そういう歌舞伎舞踊の大作です。

 

その白拍子花子を一人で踊るのがスタンダードな「京鹿子娘道成寺」、二人で踊ると「京鹿子娘二人道成寺」、今回は五人で踊り分けるので「京鹿子娘五人道成寺」となるわけですね。

 

舞台映像だけでなくドキュメンタリーとしてインタビューや舞台裏の着付け、お顔をしてるところなども織り交ぜていますので、なかなかの見応え。

ツイッターなどで、「途中でインタビューが入るから、気持ちが途切れてちょっとなぁ」…という意見もありましたが、場面の切り替えでインタビューになってるので私はあまり気になりませんでした。

 

坂東玉三郎さん率いる五人の花子がそれぞれに華やかな踊りを場面ごとに一人きりで踊ったり二人で踊ったり、五人全員で踊ったり。

私は高校生の頃から七之助丈推しなので、勘九郎さんと二人で花道で踊る場面、小さい太鼓を胸につけてポコポコ鳴らしながら踊る場面、五人で手踊りしたり振り鼓もって踊る場面も、殆どずっと七之助さんを目で追ってました(ᵔᴥᵔ)

 

その小さい太鼓っていうのがまた可愛い音で!踊りもしながら長唄に合わせてリズムをとって鳴らさないといけないっていうのも難しいだろうし、七之助さんばっかり見てたと言っても勘九郎さんとの踊りのバランスというか、さすがに息ぴったりですごい見応え。

 

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これが小さい太鼓、鞨鼓(かっこ)という楽器だそうです。

雅楽の演奏で使われるものだそう。

ぽこぽこ音が可愛かったです。花子が鳴らすから更に可愛いのか。

 

頭の簪や、衣装もどんどん変わっていくけど、一貫して色違いの生地に枝垂れ桜の刺繍っていうのは変わらず。

後ろの鳴り物さんたちもピンクに桜模様の裃だし、桜の季節だからかな。

あれっ、でもそれこそ鞨鼓を使った踊りの時は薄黄色地に紅葉の刺繍、袂に三つ巴の模様だったな。

最後に大蛇の正体を現すところで、ウロコ模様の引き着になるっていう。

 

踊りもすごいけど、裏方さんや後見さんが凄い、息ぴったり。踊ってる最中に裾、袖、襟に縫い込んでる糸を取って演者と息を合わせて引きずりをばっと剥がすの、本当に凄い。

それが踊りを邪魔することなく、玉三郎さんもそこに神経尖らせてる感じもなく、あくまで自然に、裾を直してあげてるのかな?位の感覚で息ぴったり。

裏に引っ込んで衣装替えするときは長襦袢まで脱がせて演者の汗を拭いたり扇風機当ててあげたり…常に緊張感!

私たちが楽しんで演目を見られるのも、役者さんだけでなく裏方さんの活躍あってこそ、なんだなぁと感動。

 

二人椀久の感想は追って書きます!

京鹿子〜書きまくって一息吐いちゃった笑

 

私、歌舞伎を見に行くときは飛行機に乗らないと行けない距離で、行けても年に2回位なので、シネマ歌舞伎って本当に有難い。松竹さんありがとう。

直近では2月に博多座に行くのでそれが楽しみで楽しみで仕方ないです。

 

私は私の仕事を頑張ります(^ν^)